ブロックチェーンによる新しいテクノロジーが次々と生み出され、そのたびに驚かされてきましたが、ついに音楽業界にもその波がやってきました。
音楽革命を起こすと期待されているのが「Audius」です。
利用者数自体はまだまだ少ないものの、いよいよ音楽にもブロックチェーンによる革命が起きると実感しているAudius使用者も少なくありません。
仮想通貨やブロックチェーンはマスコミのネガティブな報道の影響もあり、ギャンブル性が高い危険なものと思われがちですが、本来、ブロックチェーンのようなテクノロジーはより良い世界に導いてくれるものです。
今回はAudiusのすごさ、魅力について詳しく解説します。
Audius (AUDIO)とは?

サービス名 | Audius |
サービス開始 | 2020年10月 |
サービス形態 | 分散型音楽プラットフォーム |
アクティブユーザー数 | 600万人以上 |
時価総額 | CoinMarketCapより) | 30,695,472,783円(
仮想通貨 | AUDIO |
詳細 | Audius公式サイト |
Audiusはブロックチェーンを活用して作られた音楽配信サービスです。
音楽のサブスクといえば「Spotify」や「Apple Music」が有名ですが、Audiusには従来の音楽配信サービスを追い抜いていくのでは感じるほどの破壊力があります。
Audius自体はまだ立ち上がったばかりのサービスで、音楽ストリーミング全体に占める割合はわずか2%以下です。
それにもかかわら、音楽大手メディア「ローリングストーン・マガジン」はAudiusを「Spotifyキラー」や「次世代の音楽ストリーミングの覇者」という言葉を使い、大絶賛しています。
AudiusのDAOの仕組みとは?
Audiusが影響力を高めると、SpotifyやAppleを追い抜いていくことは間違いないといわれています。
そしてAudiusのポイントとなるが、「DAO」での運営です。

Audiusでは音楽をアップロードしたアーティストに対する報酬はすべて、「AUDIO」という仮想通貨で支払われます。
ユーザーが聴くごと、チャートにランクインするごとにAudius独自のルールでアーティストに支払われる仕組みです。
ユーザーはすべて無料で聴くことができるにもかかわらず、従来の広告費で稼ぐ仕組みではなく、AUDIOをコミュニティ内で流通させることでうまく運営できています。
AUDIOはAudiusの独自通貨であると同時に、投票権の役割も果たしており、AUDIOを所有しているとAudiusの運営で重要なことを決める際に投票する権利があります。
AudiusはAUDIOによる投票権を用いることにより、DAOでの運営を可能にしており、創業者といえどもその権限はDAOのなかでは複数の意思決定者のひとりに過ぎません。
Audiusの特徴
先ほどは、Audiusの概要と仕組みについてお話ししました。
ここでは、Audiusの特徴を以下の3つに分けて紹介していきます。
・アーティストを最優先にしている
・アーティストとファンが直接関われる
・NFTサービスも開始している
アーティストを最優先にしている
Audiusの特徴の一つ目は、アーティストを最優先にしたプラットフォームである点です。
Audiusが目指しているのは「音楽をアーティストの元へ取り戻す」ことです。
なぜかというと、現在の音楽業界は構造的に問題があります。
例えばスポーツ業界でいうと、全売上のうちスポーツ選手に支払われる割合は55%と、スポーツ選手に対するリスペクトを感じるだけの十分な額が支払われています。
一方、音楽業界はすべての売上に対して、アーティストに支払われる割合はたった12%しかなく、残りはレコード会社や音楽配信プラットフォームが取ってしまっている状況です。
言い方を変えると、アーティストから搾取しているともいえます。
Audiusはそんな現状を打破すべく、すべての収益の90%をアーティストに還元しようとしています。
これは既存の音楽業界の構造では絶対できないことです。
アーティストとファンが直接関われる
Audiusの特徴二つ目は、アーティストとファンが直接関われる仕組みがあることです。
アーティストは、Audius内で「アーティストークン」と呼ばれる独自のトークンを発行しファンに配布できるようになっています。
アーティストトークンは、保有数に応じて限定のコンテンツを設定できる仕組みになっており、限定のリミックスや楽曲へのアクセスを制限できます。

簡単に言えば、従来のファンクラブをアーティストが独自で作ることができるとも言えますね。
アーティストトークンの仕組みによって、アーティストの収益化の幅が広がることはもちろん、ファンも限定コンテンツを体験できるというWinWinの関係が築けています。
また、Audiusはアーティスト・ファン・ノードオペレーター(開発者)のみによって運営される分散型コミュニティであるため、そういった意味でもアーティストとファンが直接関われると言えるでしょう。
NFTサービスも開始
Audiusは音楽配信と同時に、2021年4月からNFTサービス「Audius Collection」も開始しました。
NFTは音楽業界とも相性がいいため、注目される存在です。
Audiusは今後の展開として、NFTマーケットプレイスと連携することも検討しており、将来的には世界再生のNFTマーケットプレイス「OpenSea」との連携もあり得ます。
アーティストがNFTを利用してマネタイズできれば、アーティストが稼ぐチャンスは大きく広がることでしょう。
Audiusの仮想通貨AUDIOの価格動向

ここでは、Audiusの仮想通貨AUDIOの価格動向について、実際のチャートを元に解説していきます。
2020年10月にAUDIOはローンチされ1AUDIO約20円から、2021年3月上旬から下旬にかけて高騰して最高約443円の価格を付けました。
そこから2021年6月ごろにかけて価格が約80円まで下がり、8月ごろ再び高騰して最高値は約361円、そこから高値帯を推移して12月ごろから下落し始めています。
そして2022年9月現在は、約40円帯に落ち着いている状況ですね。
Audiusは、アーティストが主導するプラットフォームであり、参入しているアーティストの人気がAudiusの価値に直結してくると言えます。
そのため、ジャスティンビーバーやレディガガなど大手のアーティストが参入し始めればAUDIOの価格が上がっていく可能性はあると考えられますね。
しかし、急騰した価値は暴落する可能性も高いため、慎重に取引するようにしましょう。
Audiusの始め方
では、Audiusを実際に始める方法を以下の手順で紹介していきますね。
・国内仮想通貨取引所に登録してBTCを入手
・海外仮想通貨取引所に登録し、BTC送金
・海外仮想通貨取引所でAUDIOを取引する
・Audiusでアカウント作成後、AUDIOを送金して利用していく
国内仮想通貨取引所に登録してBTCを入手
最初に、国内仮想通貨取引所に登録してBTCを入手しましょう。
まずは日本円を仮想通貨に変える必要があり、変えられるのは基本的に国内の取引所のみです。
海外の取引所でも日本円は入金できるが、手数料が高くなってしまうのでおすすめしません。
また、今回はわかりやすさ重視でBTCにしましたが、後で交換するので任意の通貨でOKです
国内取引所を開設するならコインチェックがおすすめです。

コインチェック(Coincheck)は2014年8月に運営を開始したスマホアプリが非常に使いやすくて人気な取引所です。
- 親会社が東証プライム上場企業マネックスグループで信頼できる
- 国内トップクラスの取り扱い通貨数で、投資の幅が広い
- 操作性・視認性に優れており、初心者でも簡単に取引可能
- 取引手数料が無料
- 独自のセキュリティ対策を行い、ユーザーからの信頼度が高い
海外仮想通貨取引所に登録し、BTC送金
次に海外仮想通貨取引所に登録して国内取引所からBTCを送金しましょう。
現状、Audiusの仮想通貨AUDIOを扱っているのは海外仮想通貨取引所だけです。
海外仮想通貨取引所でAUDIOを取引する
海外仮想通貨取引所でAUDIOを取引します。
ここでの取引方法としては、取引の速さを重視して成り行き注文がおすすめですよ。
海外取引所のおすすめはBybit(バイビット)です。

バイビットは世界的に広く使われている仮想通貨取引所で、日本語に完全対応しているので困った時にサポートを受けられるメリットがあります。
- 180種類以上の取扱通貨
- 取引手数料が0.075%と安いだけでなく、Maker取引の手数料率が-0.025
- 完全日本語対応
- 最大レバレッジが100倍かつ追証なし
- クレジットカードで購入が可能
- スマホアプリ対応
レバレッジをかけた取引でも大損を防ぐことができるゼロカットシステム機能があります。
またNFTマーケットプレイスもあり、NFTゲームを楽しむユーザーにも人気です。
Audiusでアカウント作成後、AUDIOを送金して利用していく
最後にAudiusでアカウントを作成し、AUDIOを海外取引所から随時入金して利用開始です。
AUDIOは、所有することでAudiusDAOの投票に参加できたり機能がアップグレードされたりしますよ。
Audiusは今後どうなる?

ここでは、Audiusの今後の動向を3つに分けて予想していきますね。
・TikTokとの連携によるユーザー数増加
・ハッキングへの対策
・ソラナブロックチェーンへの移行
TikTokとの連携によるユーザー数増加
Audiusは2021年8月、世界中で人気の動画サービス「TikTok」と提携しました。
AudiusとTikTokの連携で、TikTokからたった1回のクリックでAudiusに登録されている曲にアクセスできます。
多くのユーザーを抱えるTikTokから簡単にAudiusが利用できることにより、Audius内の楽曲が注目される可能性は高まったといえるでしょう。
TikTokはユーザーの動きと音楽がミックスしたことにより大ブレイクしたツールですので、まだ名が知れていないアーティストが注目を浴びる手段となり得ます。
TikTokの利用拡大に比例し、Audiusのユーザーも増えていくことが期待できます。
また、2021年の音楽配信の売上が895億円で、そのうち744億円をストリーミングが占めているというデータも、Audiusにとっては追い風です。
すでにSpotifyやApple Musicはストリーミングで大成功を収めており、Audiusも同じストリーミングとしてブレイクする可能性を秘めています。
ハッキングへの対策
2022年7月、Audiusハッカーによって不正なガバナンス投票が行われ、コミュニティの資産AUDIOが8億円分流出したことが発表されました。
ハッキングの原因としては、ガバナンスのシステムからスマートコントラクトに不正アクセスし、プログラムの書き換えによって流出ルートが作られてしまったことです。
このハッキング事件後、Audiusはハッキングの原因は対処済みで今後起きることはないと表明しています。
今後Audiusは、信頼回復のためさらなるハッキングへの対策やユーザーへのサービス改善を行っていくと思われます。
ソラナブロックチェーンへの移行
Audiusは、2021年9月からブロックチェーンを一部ソラナブロックチェーンに移行しています。
ソラナブロックチェーンの特徴は処理速度の速さと手数料の安さであり、次世代のブロックチェーンとして多くのプラットフォームで使用され始めています。
Audiusが使用していたイーサリアムブロックチェーンは、処理速度の遅さや手数料の高さが問題点でした。
今後、またはソラナブロックチェーンへの移行が進めば、手数料の安さやトランザクションの速さでさらに人気が高まっていく可能性も考えられますね。
まとめ
これまで音楽業界が抱えてきた問題のひとつ、少なすぎるアーティストの利益はAudiusにより解決できる可能性が高まっています。
アーティストのメリットが大きいだけでなく、NFTの出展によってファンもより楽しめるような仕組みにも抜かりはありません。
今はまだ、参加しているアーティストもリスナーも多くはありませんが、Audiusが普及していくことで、今後の音楽業界を引っ張っていく存在になるかもしれません。
Audiusの成長のためにはアーティストからどれくらい支持されているかも重要ですが、すでに世界的に有名なアーティストである「Katy Perry」や「Jason Derulo」「THE CHAINSMOKERS」に「deadmau5」などがAudiusに対して好意的な発言をしています。
独自通貨のAUDIOも今はまだ手頃な価格ですが、Audiusがさらに注目されるようになれば、AUDIOの価格が上がる可能性も十分あります。
音楽業界の革命児、Audiusの動きをこれからも注目していきましょう。