これまで、不動産などの資産をデジタルチャネルのみで取引することは、あまり一般的ではありませんでした。
しかし、英国を拠点とする不動産開発会社Brik by Brik(ブリック・バイ・ブリック)は、ブロックチェーン上の同社のDAOエコシステムであるBRIKNの立ち上げを発表しました。
BRIKNを通して、トークンの保有者は不動産が生み出す収益から報酬を獲得することが可能になります。
同社は今後5年以内に5000万ポンドの取扱高を目標としています。
ブリック・バイ・ブリックのディレクター、マーク・グッドマン氏は次のように述べています。
「不動産への投資は、長い間、経済的自由を達成するための世界的に人気のあるツールの1つでした。今、ブロックチェーン技術によって、暗号通貨による不動産投資がより簡単に、誰にでもアクセスできるようになりました。500ドルという低額の投資で、複数の収益を生む不動産の小数所有権を手に入れられることを想像してみてください。これは、ブロックチェーンを活用した次世代の不動産投資となるのです。」

暗号不動産投資とは、現実世界の不動産をトークン化し、分割資産として投資家に提供することです。
言い換えれば、不動産物件はBRIKNからトークンを売却して受け取った金額で購入され、保有者が持つトークンは、その不動産ポートフォリオの何パーセントかを表しているということになります。
しかしBRIKNは、トークンの所有者に不動産エコシステム「全体」の一部を報酬として与えようとしています。
トークンは、スマートコントラクトを使用して不動産にリンクされ、BRIKN Vault staking platformを通じて自動的に家賃の支払いと保有者への分配が実行されます。
不動産報酬の分数所有が可能になることで、ブロックチェーンは不動産投資への障壁を低くします。
従来の不動産投資プロセスは、投資家に対して多くのハードルを提示していました。
例えば、賃貸物件を購入するためには、多くの場合、投資家は住宅ローンを組む必要があり、事実上、物件の収益を圧迫することになります。
また、入居者の管理や物件の維持管理、税金の支払い、法令遵守の徹底なども投資家が行わなければならない事項です。
更に不動産は、売買に時間がかかるため、非流動的な資産とみなされてきました。

しかしトークンの場合はそのようなことはなく、一瞬で売買が成立します。
また、不動産投資信託(REITS)とは異なり、ファンドではなく単一の物件に投資できることで、物件に対する議決権やガバナンス権、間接費の削減、管理手数料の削減、最低投資額の低減などのメリットがトークン化することによって得られるのだそうです。
物件の賃貸利回りや売却益の60%がBRIKN保管庫に送られます。
保管庫のステークホルダーは、分散型自律組織(DAO)の一員となり、保管庫にステークしているトークンに比例した金額をUSDTで毎月均等に受け取ることができ、あとは投票によってDAOのエコシステムに貢献するだけが仕事となります。
また、不動産のトークンとは別に、DAOエコシステムのガバナンスと議決権を所有者に付与する専用NFTをエアドロップする予定です。
不動産投資は株や証券とは違い、その取扱い額の大きさ、管理の大変さから難易度が高い投資だとされてきました。
しかしブロックチェーンを活用して分割して投資できるようになれば、現在の株式投資と同様に不動産投資が行えるようになる為、投資家の選択肢は増えることになるでしょう。