こんなお悩みを解決できる記事を作りました。
2021年10月にフェイスブック社が社名を「Meta」に変えたことから、メタバースへの注目度が高まりました。
では、なぜフェイスブック社が社名を変えてまで、メタバースに注目しているのでしょうか。
結論、「ブロックチェーン技術」が今後の生活や働き方を変える技術だからです。
しかし、メタバースとブロックチェーンの関係性については少し複雑なため、わかりづらい側面がありますよね。
この記事を読んででブロックチェーンの仕組みを理解することで、メタバースとブロックチェーンの関係性から活用事例まで分かるようになります。
この記事の前半では「ブロックチェーンとは・特徴」について、後半では「メタバースとブロックチェーンの関係性・実例」を詳しく解説します。
※「すぐにブロックチェーンの仕組みを知りたい!」って方は、すぐにブロックチェーンの仕組みへ飛んでくださいね。
また、メタバースについて詳しく知りたいという方は以下の記事もぜひご覧ください。

ブロックチェーンとは
ブロックチェーンとは「世界中にある多数のコンピュータで分散的にデータを管理し、正しい動作ができない者がいたとしても正しい動きができて不正を働くことができず、改ざんが困難であり、稼働し続ける仕組み」です。
また、ブロックチェーンは取引データをブロックごとに管理し、それを一本の鎖(チェーン)のように連結させてデータを管理しています。
日本ブロックチェーン協会が公表した「ブロックチェーンの定義」を少しわかりやすく言い換えました。

とはいえ分かりにくいと思うので、ブロックチェーンの仕組みについて解説します。
ブロックチェーンの仕組みを理解することで、「ブロックチェーンとはどんなものか」を理解することができますよ。
それでは、さっそく解説していきます。
ブロックチェーンの仕組み

上記画像はブロックチェーンの仕組みを分かりやすくしたものです。
しかし、「ブロックチェーンについて知っている」というには以下の3つの要素を理解しておく必要があります。
ブロックチェーンをつくる3つの要素。
- 取引データ(トランザクション)
- ハッシュ値(ブロック生成の鍵)
- 認証作業(マイニング)
それでは1つずつ、詳しく解説していきます。
取引データ(トランザクション)
ブロックチェーンは、個人間での取引データをブロックに記録しています。

たとえば、上記画像が取引データです。

取引データ1つひとつのことを「トランザクション」といい、トランザクションが入っている場所が「ブロック」です。
すべてのトランザクションとブロックは「ハッシュ値」へと置き換えられ、暗号化されています。
ハッシュ値は、新しいブロックを作り出すときに重要な役割を持っています。
次で「ハッシュ値」について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
ハッシュ値(ブロック生成の鍵)
「ハッシュ値」はブロックチェーンにとって、とても重要な役割をになっています。
なぜなら、ハッシュ値を使って認証作業(マイニング)を行い、認証されれば新しいブロックが作られるからです。
ハッシュ値とは「文字を暗号化する技術」のことで、どんな文字でもハッシュ関数にかけることで、規則性のない”64文字”の文字列ができます。
たとえば、以下の画像。

実際にハッシュ関数にかけて見ると、1ETHと2EHTの違いだけで、文字列がまったくの別物であることがわかるかと。
ブロックチェーンでは、トランザクション(取引データ1つひとつ)とブロックのすべてをハッシュ値へと変え、多数のコンピュータで認証作業を行います。
認証作業(マイニング)
ブロックチェーンでは、取引が正しいことを証明するために多数のコンピュータを使って認証作業(マイニング)を行います。
ブロックチェーンの認証作業(マイニング)は、以下のような計算を行っています。

64文字中、最初の19文字が”0”になる「X(ナンス値)」を探す作業です。
何億回、何兆回の計算が行われ、最初に「X(ナンス値)」を見つけた者が報酬をもらえる仕組みとなっています。
この「X(ナンス値)」が正しいかを、その他多数のコンピュータで確認し、計算が正しければすべての取引が認証されて、次のブロックが生成されます。

ブロックチェーンは、『取引データのハッシュ値と前回ブロックのハッシュ値を使って、最初19文字が「0」になるナンス値をマイニングによって探し出し、見つけることができれば新しいブロックが生成される』仕組みです。
ブロックチェーン3つの特徴
ブロックチェーン技術が開発されたことにより、1つの企業がたくさんのデータを持つ「Web2.0」の時代から、分散的にデータが共有される「Web3.0」へと移り変わってきています。
そんな「Web3.0」へと加速させたブロックチェーンの特徴は3つ。
- 改ざんは実質不可能
- 送金が低コスト
- スマートコントラクト(契約の効率化)
それでは1つずつ解説していきます。
1.改ざんは実質不可能
ブロックチェーンの1つ目の特徴は「改ざんは実質不可能」です。
なぜなら、すべてのデータを多数のコンピュータで分散的に管理しているからです。
ブロックチェーンの改ざんを行うためには、分散的に管理しているコンピュータのうち51%以上のコンピュータを操作して改ざんする必要があります。
51%以上のコンピュータをハッキングしようとすると、膨大なコンピュータのマシンパワーと膨大な電力が必要です。
コンピュータと電力を準備するのに膨大なコストがかかってしまうため、改ざんできたとしてもほとんど利益はでないと言われています。
そのため、分散的にデータを管理することによって、改ざんは実質不可能といえます。
送金が低コスト
ブロックチェーンの特徴2つ目は「送金が低コスト」です。
なぜなら、ブロックチェーンを使えば、個人間で直接やりとりができるからです。
ブロックチェーンを使えば、どこの国へ送金しても手数料は1回です。
しかし、法定通貨を海外へ送金すると、手数料を複数回取られてしまいます。

上記画像のように、手数料が多いと受取額がかなり減額されてしまいます。
そのため、ブロックチェーンを使った送金の方が低コストだといえます。
スマートコントラクト(契約の効率化)
ブロックチェーンの特徴3つ目は「スマートコントラクト(契約の効率化)」です。
なぜなら、ブロックチェーンにあらかじめプログラムしておけば、すべて自動で停止することなく稼働しつづけられるからです。
スマートコントラクトとは、「スマート/自動で行われる」「コントラクト/契約」のこと。
すべてプログラムで動いているので、時間もかからないし、人為的ミスが絶対にありません。
また、すべての取引がオープンであるため、透明性も高いのが特徴です。
メタバースとブロックチェーンの関係性

メタバースにおけるブロックチェーンの役割は主に4つです。
- 仮想通貨技術によるリアル通貨とのリンク
- ゲーム内アイテムのNFT化
- 取引情報の安全強化
- 管理者なしの運営
メタバースとブロックチェーンの関係性は、ブロックチェーンがデジタルデータの正当性と透明性を担保し、現実とメタバースとの互換性を保ちつつ、安全な仮想空間を作っていることです。
それぞれ3つについて詳しく見ていきましょう。
1.仮想通貨技術によるリアル通貨とのリンク
まずは、ブロックチェーン技術を使いメタバース内の通貨と現実の通貨をリンクできる点があります。
仮想通貨はブロックチェーン技術を使うことで、デジタル通貨の安全性を担保し円やドルとのトレードを可能にしています。
有名なメタバースのThe Sandboxでは「SAND」を仮想通貨として用いて、メタバースと現実の通貨をリンクさせています。
従来のゲーム内通貨は当然ゲーム内でしか使用できず、収益化につなげるのは難しい状況ですよね。
つまり仮想通貨技術を使うことで、メタバース内で稼いだ通貨を直接収入にできるということです。
「The Sandboxについて知りたい」って方は、以下の記事に詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてください。

2.ゲーム内アイテムのNFT化
次に、ゲーム内アイテムをNFT化することで以下のことが可能になります。
- アイテムをゲーム外のマーケットで売買できる
- メタバースで手に入れたアイテムを他のメタバースでも使える
NFTは、ブロックチェーンを使い取引情報を管理することで、改ざん・複製が不可能な唯一無二のデジタルデータを作ることができます。
The SandboxやDecetralandでは、Openseaでメタバース内の土地が数十万~数百万円で取引されています。
もちろん土地以外にも、入手困難なレアアイテムなどをゲットすれば高額で売却することも可能ですよ。
また、NFT化されたアイテムはメタバース内のものではないため、メタバース内で手に入れたアイテムを他のメタバースでも使用できることも利点です。
例えばあるメタバースで手に入れた服を、他のメタバースの世界でも着ることも可能ということです。
このようにブロックチェーン技術でアイテムをNFT化することで、マーケットでの取引や他のメタバースでの使用を可能にできるのです。

3.取引の安全強化
次にブロックチェーンは、メタバース上で行われる取引の安全性を強化することに貢献しています。
ブロックチェーンによって情報を連ねることで、取引情報を改ざん不可能な暗号として記録できます。
また、誰から誰にアイテムが渡ったかが記録されているため、不正なアイテム入手の防止にもつながります。
取引情報をブロックチェーンによって強固にすることで、より安心してメタバースを利用できるようになるのです。
4.管理者なしの運営
最後に、ブロックチェーン技術の中のスマートコントラクトというプログラムを使い、メタバースを管理者なしで運営することを可能にしています。
スマートコントラクトは簡単に言うと、「ある条件を満たしたらこの行動をとる」というプログラムです。
スマートコントラクトを使うことで、これまで運営者が行っていた管理を完全に自動化して運営することができます。
それによって、メタバースの運営を分散しユーザーの投票によって意思決定ができる仕組みが完成するのです。
この意思決定の権利が分散化された仕組みを、DAO(Decetralized Autonomous Organizasion)と言います。
つまりブロックチェーンを使い、特定の運営者に頼ることなくユーザー間でメタバースを運営できるようになるということです。
実際にブロックチェーンが使われているメタバースの事例
先ほどは、メタバースとブロックチェーンの関係性についてお話ししました。
では、実際にブロックチェーンがどのようにメタバースに使われているのか、大手メタバースのThe Sandboxを例に挙げて解説していきます
The Sandbox

The Sandboxは今最も注目されているメタバースの一つで、時価総額は320億円を超えています。
主に「Land」と呼ばれるメタバース上の土地を活用し、土地上でゲームを作ったりビジネスを立ち上げたりしていきます。
では実際にThe Sandboxでどのようにブロックチェーンが使われているのか見ていきましょう。
土地やアイテムの売買

上記画像のように、NFTマーケットプレイス「Opensea」でThe Sandboxの土地Landが実際に取引されています。
2022年7月現在、Landの最安値は2.079ETHと日本円で約30万円以上の高値を付けています。

The Sandbox公式サイトでも、仮想通貨の「SAND」を使いアバターやアイテムが取引できるようになっています。
また、The Sandbox内の「Voxedit」という機能を使うと自分で建築物からキャラクターまで作ることができ、実際に使ったり取引所で販売したりできます。
このVoxeditを使ってコンテンツを作成し取引所で売買して生計を立てている人も出てきていますよ。
従来のゲームでは難しかった収益化が、ブロックチェーンを使うことによって可能になっているのです。
このように、メタバースの土地やアイテムのNFT化、独自の仮想通貨の生成などに、ブロックチェーンは使用されています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
まとめると、
・ブロックチェーンは現実とメタバースを結び付け収益化を可能にしている
・メタバース上の取引情報の安全強化や組織の分散化の役割も担っている
ということをお話ししました。
ブロックチェーンは、これからのメタバースに不可欠な存在であるのがわかっていただけたと思います。
今後ブロックチェーンを基盤としてメタバースはどんどん発展していき、現実世界との境目が薄くなっていくと予想できます。
これを機に、一度メタバースを体験してみて時代の波を先取りしておくのはいかがでしょうか。
メタバースが今後どのように広がっていくのかを知りたい方は、↓の記事を見てみてください。
