世界中で大きな注目を集めるメタバース。
日本でも参入する企業が増えてきており、メディアで報道されることも多くなりましたので、メタバースという言葉だけじゃなく、どのようなことができるのかわかってきた人も多いことでしょう。
しかし、メタバースは新時代を切り拓くだけでなく、投資家からも熱い視線を注がれています。
なぜ投資家が注目しているのか、それはメタバースには「稼ぐ」チャンスがあるからです。
実際、メタバースETFにはすでにお金が集まり始めています。
メタバースはアバターで会話したりゲームしたりという遊び要素だけでなく、新しい投資先としても魅力的です。
今回はメタバースETFについて、詳しく解説します。
メタバースに集まるお金
メタバースは世界中から注目されているため、メタバースに注ぎ込まれるお金は何十億ドルもの大金です。
ではこの資金からどのように利益を得るか、その答えのひとつとなるのが「メタバースETF」です。
メタバース市場はまだまだ歴史の浅い世界ですので、Web2.0の世界のGAFAMのように、メタバースでどの企業が最終的に支配的立場にいるのか、今はまだ見当もつきません。
アメリカの大手IT企業である5社(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の頭文字を取った呼び名のこと
そこで登場するのがメタバースETFです。
メタバースETFとは有望なメタバース企業にまとめて投資できる銘柄のことです。
メタバースETFは日本ではまだまだ馴染みのない言葉ですが、海外ではすでに大きなトレンドになりつつあり、特にアメリカやカナダ、韓国でブームになっています。
特に韓国では10億ドル以上が韓国のメタバースに流入しており、その中には日本でもおなじみのK-POPに関連する銘柄も上位に含まれています。
メタバースETFにお金が集まる現状について、メタバースETFは果たして良い投資先なのか、疑問に感じている投資家がいるのも事実です。
しかし多くの投資家は、メタバースETFが未来に投資するための優れた手法であると考えています。
根拠のひとつとして、メタバース産業は2028年までに5000億ドル以上の価値があると予想されていることが挙げられます。
メタバースは若くて発展途上の業界ですので、短期・中期でとらえると不安定な時期に入ることもあるでしょう。
それでも長期でみれば全体的なトレンドは上昇することが期待できます。
メタバースETFに組み入れられる企業の多くは、大手のテクノロジー企業に属しており、株価も比較的安定しています。
Facebookから社名を変えた「メタ・プラットフォーム」のような有名なソーシャルネットワークから、Amazonのようなeコマースのトップ企業まで、様々な企業が含まれているのも特徴的です。
このような魅力あるETFに投資することで、投資家はこれまでと違う投資を経験できます。
メタバースに集まるお金は非常に魅力的ですが、どのような投資を行うにせよ、最新のニュースを収集すること、市場分析をしっかり行うことは非常に重要です。
メタバースETFとは

ETFとはExchange Traded Fundの略称で、「上場投資信託」と呼ばれることもあります。投資信託とは投資した人のお金をひとつにまとめ、専門家に運用をまかせる金融商品を指します。ETFは投資信託でありながら、取引所を通じてリアルタイムに売買できるなど、株式投資と同じ性質を持つのが特徴です。
株式や商品、債券などは一度に一つの資産を購入するだけですが、ETFは専門家がひとつのバスケットの中にまとめた複数の銘柄に対して投資できるのです。
ETFはいくつかの特徴によって分類されています。
ETFのなかでも最近注目され始めている「メタバースETF」は、メタバース企業への投資を提供するために作られた金融商品です。
メタバースETFにより、メタバースのインフラ、アプリケーションなどをサポートするサービスや製品を提供しているグローバルな上場証券に投資できます。
ETFの株式は他の株式と同様に、証券会社を通じて購入できます。しかし、現状ではメタバース関連のETFは日本の証券会社では取り扱いが少ないです。そのため、日本の証券会社の口座ではなく、海外の証券会社の口座を開設する必要が出てくるかもしれません。
各ファンドが作るETFの中身は、特定のインデックスや業界のパフォーマンスに連動するように設計されています。
ETFは全世界を対象とするものと、アメリカのみに集約しているETFとがありますが、メタバースETFは今後、大量に新しいものが出てくると予想されています。
現在のメタバースETFを代表するFirst TrustやProShares、Simplifyなどのファンドは、アメリカやその他の国でWeb3やメタバースETFを申請しているほんの一例に過ぎなくなることでしょう。
メタバースETFはまだ歴史が浅く、どのメタバースETFについても今の時点でパフォーマンスを実際に分析するための材料は不十分です。
これから紹介するメタバースETFは、将来的に期待できるものになります。
世界で最もエキサイティングで、ワクワクさせてくれる投資手法となっていくことでしょう。
メタバースETFには地球上で最大級のハイテク企業がいくつも含まれており、投資家もその成長に期待せずにはいられなくなると考えられます。
ETFの売買のプロセスは通常の株式投資と同じように簡単ですので、メタバースETFにもぜひ注目してください。
おすすめのメタバースETF

メタバースETFはこれからますます増えてくると予想されますが、まずは今現在、おすすめできるメタバースETFを紹介します。
Roundhill Ball Metaverse ETF
ニューヨークの投資会社Roundhill Investments(ランドヒル・インベストメンツ)にはメタバース初の試みが数多くあります。
ランドヒル・インベストメンツはまず、メタバースのパフォーマンスを追跡する、最初のグローバルインデックスである「The Ball Metaverse Index(ボールメタバースインデックス)」を設計しました。
その後、ランドヒル・インベストメンツはアメリカで発売された最初のメタバースETFである「Roundhill Ball Metaverse ETF(METV)」を発表しました。
METVはハードウェア、仮想プラットフォーム、コンテンツ、決済インフラなどを提供する、アメリカとアジア合わせて40の企業のポートフォリオ「The Ball Metaverse Index」を追跡しています。
METVはランドヒル・インベストメンツが設計したメタバースETFの中で最も入手しやすいETFの一つです。
METVはマイクロソフトやアップルなど、世界最大のテクノロジー企業に投資しています。
さらにNVIDIAはメタバースに不可欠なインフラを構築するチップメーカーですし、Robloxは仮想世界の創造を担うゲーム会社です。
METVが市場に登場したのは2021年6月で、メタバースETFの第1号となりました。
マイクロソフト、アップル、NVIDIA、Robloxなど、規模が大きく安定した企業が多く含まれていますので、これからのトレンドに比較的安全に投資できることから、メタバースETFの中でも最も人気のあるETFというポジションにあるといえるでしょう。
Evolve Metaverse ETF
Evolve Metaverse ETF、通称「MESH」はカナダ初のメタバースETFで、投資家に対して、メタバース開発に携わる企業のアクティブ運用された分散ポートフォリオへのアクセスを提供しています。
MESHの中には世界中の企業が含まれており、特にアメリカとアジアの企業に焦点が当てられています。
MESHの中の約4分の3はアメリカ企業が占めており、残りの約4分の1は中国や日本、シンガポール企業の構成です。
ラウンドヒル・インベストメンツと同様にテクノロジー部門が主な投資先であり、メタやオートデスク、ウォルト・ディズニーなどの有名な大型株も含まれています。
MESHは比較的新しいETFなので、過去の動きに関する情報は少ないですが、現在の運用額は800万ドルを超えています。
MESHの最大の魅力の一つといえるのが、均等に配分されていることです。
MESHは投資するすべての銘柄に資金を配分していますので、一つの企業がMESH全体のパフォーマンスに大きな影響を与えることがないため、相場が崩れにくいともいえます。
Horizons Global Metaverse Index ETF
Horizons Global Metaverse Index ETF、通称「MTAV」は、「Solactive Global Metaverse Index」のパフォーマンスを再現することを目的としています。
MTAVはトロント証券取引所で取引されている、カナダベースのETFです。
MTAVも新しいETFですので、今のところ、分析で使用できるような過去の価格実績はほぼありません。
MTAVが他のETFと異なっている点は、多様なセクターへのアロケーションです。
約25%の資金をテクノロジー産業に向けている一方で、残りの資金を他のセクターへ幅広く公平に配分しています。
その中にはゲーム業界やデジタル決済、AR・VR分野など、様々な銘柄が含まれています。
MTAVは世界中の企業を投資対象としていますが、アメリカを拠点とする銘柄をより好む傾向のようです。
保有している最大の銘柄はGoogle、VISA、Amazonなどがあります。
MTAVは各保有銘柄のウェイトがほぼ均等であること、様々なセクターに投資していることから、メタバースETFの中では比較的リスクが低いといえます。
Simplify Volt Web3 ETF
Simplify Volt Web3 ETF(WIII)は市場にリリースされた最初のWeb3専用ETFです。
Web3とメタバースは密接に関連しており、Simplify Web3 ETFではWeb3とメタバースの両業界で事業を展開する、革新的な企業の株式を保有しています。
Simplify Web3 ETFがリリースされたのは2022年1月で、仮想通貨市場の成長を利用することを目的としています。
Web3とメタバース企業がファンドの保有銘柄の大半を占める一方で、資金の10%は「Grayscale Bitcoin Trust」に投資されており、ビットコインへのエクスポージャーを提供するETFです。
Simplify Web3 ETFは比較的リスクは高めです。
理由として、実績のない新しい産業へのエクスポージャーも多く持っており、将来的にどうなるか予測が難しいことがあります。
しかし、成功した銘柄が出てくれば、急速に値上がりする可能性があるという魅力もあります。
21Shares Decentraland ETP
21Shares Decentraland ETP(MANA)はDecentralandに特化した金融商品です。
セクター全体ではなく特定のメタバースに対してアプローチしているという特徴があります。
21Shares Decentraland ETPはスイスの証券取引所に上場しており、発売開始は2022年2月です。
所有している仮想通貨はMANAトークンだけですので、MANAトークンの動向に完全に依存しています。
Decentralandのメタバースに魅力を感じる人や企業が増えれば、コインやETPの価値も上がるという考え方が根本にあります。
Exchange Traded Product(上場投資商品)のことで、ETFを含む、証券取引所で日中取引されるさまざまな金融商品の総称です。証券会社でETPの銘柄を購入すると、株式、コモディティ、金利、暗号資産(仮想通貨)などの金融商品の価格に連動して資産価格が変動します。
本来、一つの仮想通貨に依存することはETPとして不安定な状態で、長期的な成功は望みにくいと考えられます。
しかし、Decentralandはこれまでも画期的なプラットフォームを提供し、NikeやBinanceのような大企業も引き寄せてきました。
もしこの傾向が長期的に続くと考えるなら、21Shares Decentraland ETPは投資先として十分な価値があるといえるでしょう。
まとめ
ここまでメタバースETFとおすすめの銘柄について解説してきました。
メタバースETFを購入するときは海外の証券会社を利用することで選択肢が増えるので、「Firstrade」や「Interactive Brokers」など、名の知れている海外の証券口座の開設を検討してみてください。
メタバースは2022年になって続々と参入する企業が増えてきているため、2022年がまさに「メタバース元年」といえる状況です。
つまり、メタバースETFもこれからどんどん良いものが出てくるに違いありません。
今回紹介したメタバースETFは、あくまで現時点でのおすすめに過ぎません。
メタバースETFは今後も海外が主流となってくると予想できますから、良質なメタバースETFを見つけるためにも、海外発信の最新ニュースはしっかり情報収集していきましょう。