仮想通貨に対してまだまだ懐疑的な見方が多いものの、新しいテクノロジーとしてメディアで取り上げられることも多くなってきました。
そして最近、注目が集まり始めているのが、「GameFi(ゲームファイ)」と呼ばれる分野です。
仮想通貨はメタバースやNFT購入で使えることはもちろんのこと、われわれが日常で使用している法定通貨との交換もできます。
GameFiはゲームをプレイしてゲーム内で仮想通貨をゲットし、その仮想通貨を現実のお金に換えられることで「ゲームで稼ぐ」という新しい世界を開拓しました。
今回はGameFiとは何か、メタバースとの関係について解説します。
GameFiって何?
GemeFiはゲーム(Game)と金融(Finance)をつなげた言葉で、プレイすることで現実世界で使えるお金と交換できる仮想通貨やNFTを獲得できるゲームのことを指します。
GameFiの歴史は浅く、2019年11月に中国で開催された国際会議で、GameFiという言葉が初めて使われたといわれています。
GameFiの定義はまだあいまいで、ブロックチェーンゲームやNFTゲームといわれることがある一方で、Play to Earnとも呼ばれることもあります。
Play to Earn(プレイトゥアーン)はP2Eとも言われ、その言葉通りゲームで遊びながらお金を稼ぐというコンセプトです。
GameFiと普通のゲームの違い
普通のゲームはゲーム内でダンジョンをクリアしたり、強い敵をたくさん倒したりして報酬や経験値を得ます。
しかし、ここで得られるのはあくまで「ゲームの中だけで価値あるもの」です。
普通のゲームでいくらお金を稼いだとしても、現実世界で価値ある通貨に換えることはできません。
ゲームで得たものはゲーム内で完結するのがこれまで普通でしたが、GameFiはゲームの新しい可能性を生み出しました。
仮想通貨がプレイの報酬
GameFiと呼ばれるゲームで獲得できる報酬は仮想通貨です。
GameFiでは獲得した仮想通貨が円やドルなど、われわれが普段使うお金に換えられるため、非常に注目されています。
Play to Earnゲームの代表格といえば、2022年初めに大きな話題となった「STEPN(ステップン)」です。
STEPNではNFTのスニーカーを購入し、決められた一定のスピードで歩くことで仮想通貨が得られます。
STEPNが注目された理由は、ゲーム内で稼いだ仮想通貨が現実世界で価値のある通貨に換えられるからです。
このように、ゲーム内で仮想通貨を稼ぐことで、現実世界で使える通貨に換えられることが、GameFiの大きな特徴です。
GameFiがメタバースを拡大させる?
GameFiにはNFTやゲームのなかで取引したり、実際のトークンを報酬としてサポートしているものまで幅広くあります。
GameFiという存在は今、「メタバースの入口」として認識されつつあり、ゲームで稼ぐという性質上、今後はさらに多くの参加者を集めることでしょう。
実際、GameFiではすでに数多くのヒット作が出てきています。
それまでのメタバースは仮想空間内で会話したり、会議をしたり、簡単なゲームをしたりする程度のものでした。
それがGameFiが出てきたことで、メタバースのそれまでの定義を一気に大きくしました。
メタバースが「稼げる」というのがわかったことで、個人だけでなく企業も続々と参加してきています。
稼ぐ以外でも、シンプルにゲームが楽しむことを理由にメタバースに入ってくる人も増えています。
GameFiがメタバースにとって可能性を生み出し、新しい楽しみ方を提示したといえるでしょう。
メタバース+GameFiでおすすめのゲームは?
メタバースとGameFiが合わさったゲームでおすすめを紹介します。
The Sandbox(サンドボックス)
The Sandboxではゲーム内仮想通貨「SAND」が稼げます。
The Sandbox自体は2012年リリースと、比較的歴史の長いゲームですが、メタバースとGameFiが融合したゲームということで、世界中で人気沸騰中です。
メタバース内で土地を購入したり、アイテムの交換やイベント参加など、様々な活動をすることでSANDを稼ぎつつ、他のプレイヤーと交流が楽しめます。
The Sandboxの土地は日本円にすると何十万円、何百万円という高値がつくものも出てきました。
世界中の有名企業はもちろん、日本のソフトバンクやスクエア・エニックスもThe Sandboxに投資しています。
Polkafantasy(ポルカファンタジー)
ポルカファンタジーはNFTカードを集めてバトルするゲームです。
ポルカファンタジーは複数のブロックチェーンで取引を行えるクロスチェーンを実装する予定となっています。
現在、イーサリアム、Polygon、BSCに対応していますが、今後も対応するブロックチェーンが増えていくことで、ゲットしたNFTカードを幅広く交換できるようになります。
異なるブロックチェーン同士をまたいで取引を可能にする技術のことです。取引所などの第三者を経由することなく異なる仮想通貨を直接交換できるようになります。
ゲーム内で獲得できるトークンは「XP」で、NFTアイテム入手やアップグレードでNFTカードの価値を上げて、高値で取引することも可能です。
正式リリースは2023年予定で、そこに向けて本格的な開発がされ、さらにおもしろいゲームになることが期待できます。
Lucky Block(ラッキーブロック)
Lucky BlockはBNBチェーンでローンチされました。
GameFiのなかでは「宝くじ型」と呼ばれるタイプで、透明性と公平性が重視されています。
ゲーム内トークン「LBLOCK」を保有していると、ジャックボット(大当たり)が出たときに報酬がシェアされます。
LBLOCKはローンチ後、1ヶ月で60倍も高騰したことがあり、大きな話題にもなりました。
まとめ
メタバースとGameFiは極めて相性が良い組み合わせなので、今後、メタバースとGameFiの融合はさらに進んでいくことでしょう。
これまでのメタバースはGameFi内で経済を働かせるのが役目でしたが、今後、GameFiにとってメタバースは「ユーザーがゲーム内でトークンを使う場所」となることでしょう。
メタバースにとってもGameFiは「メタバース内の滞在時間を長くしてくれる」貴重な存在であるといえます。
もはやメタバースとGameFiは切っても切れない関係になっているといっても過言ではないでしょう。
お互いがお互いを利用してさらに進化していく、メタバースとGameFiの明るい未来が楽しみで仕方ありません。