
「メタバース」と「VR」って何がどう違うの?
どんなものがメタバースで、どんなものがVRなのか具体例で知りたい!
という疑問をもった方へ向け、本記事では「メタバースとVRの違い」を具体例をまじえて解説します。
またそれに加えて、メタバースの今後についても考察しています。
メタバースはいまや旬なサービスであり、かつ非常に新しい技術です。
これからメタバースを始める予定の方や、気になっている方も多いのではないでしょうか。
ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければと思います。
メタバースとVRの違いとは?具体例つきでご紹介!

まず、メタバースとVRの違いについてご紹介します。
メタバースは「仮想空間」、VRは「技術」のこと
厳密にはメタバースとは、「仮想空間そのもの」のことを指します。
一方でVRとは、「360度の映像を、現実のように疑似体験できる技術」のことを指します。
メタバースやVRと聞くと、一般的に以下のような専用のゴーグルを連想させる方も多いのではないでしょうか。

このゴーグルは、メタバース(仮想空間)をより楽しむために用いられるものです。
このゴーグルをかけることによって、メタバースにVR要素(360度映像の疑似体験)が加わるからです。
つまり、上記の例を用いてより簡単に解説すると
- ゲームの映像そのものが「メタバース」
- VRゴーグルによって得られる、360度映像の疑似体験が「VR」
ということになります。
メタバース=VRではない
近年ではVRゴーグルを用いてメタバースを楽しむ、「メタバース+VR」のプラットフォームの広告やCMが増えています。
そのため、

メタバースとVRって、同じようなものでしょ?
というイメージをお持ちの方も多いかと思います。
たしかにニュアンスとしては、同じような意味合いで表現されることもあるかもしれません。
「VRゴーグルを用いた、360度の映像体験が得られるゲーム」が、ひとことで「メタバース」と呼ばれている例もあります。
しかし、メタバースとVRは厳密には異なります。
前述したようにメタバースとは、「仮想空間そのもの」のことです。
ゴーグルが必要でも不要でも、360度の仮想空間があれば、それはメタバースです。
次章でさらに深掘りしていきます。
メタバースに分類されるもの・されないもの
例として挙げられるのが、近年主流の以下のようなゲームです。
これらはゴーグルがなくても楽しめますが、メタバースです。
PCやテレビ画面でも、360度の仮想空間の中でプレイするものだからです。
- スプラトゥーン
- モンスターハンター
- スーパーマリオオデッセイ
メタバースのゲームは他にも代表的なものがたくさんあるので、後述します。
このように、近年のゲームはほとんどがメタバースといっても過言ではありません。
一方で、メタバースには分類されないゲームもあります。
メタバースに分類されないゲームはどんなものかというと、360度の仮想空間ではなく、背景の映像が固定化されているようなものです。
具体的には以下のようなものは、メタバースには分類されません。
- 人生ゲーム
- 桃太郎電鉄
- 大乱闘スマッシュブラザーズ
また一昔前になりますが、スーパーファミコンのゲームの大半は平面のものが多く、メタバースではありません。具体例を挙げると、テトリスや、スーパーマリオワールドなどになります。
メタバースの具体例

「メタバースは仮想空間そのもの」と前述しました。
この章では具体例として、メタバースを用いた代表的なゲームを以下のとおりご紹介します。
- その①:フォートナイト
- その②:マインクラフト
- その③:どうぶつの森
その①:フォートナイト
フォートナイトは、アメリカのEpic Gamesが運営しているオンラインゲームです。
不動の人気を誇るゲームで、世界で3億5000万人のユーザーを抱えています。
フォートナイトの内容は主にFPSです。(FPSとは「First Person Shooter」のことで、「一人称視点のシューティングゲーム」という意味です。 )
しかしそれだけでなく、自ら部品や資材を集め、家や塔を建築することも可能です。
ゲームの進行に有利な地形を自分で構築できたり、また世界中のユーザーとボイスチャットで盛り上がれることも人気の理由となっています。
それに加えて、定期的に開催されるイベントも魅力の一つです。
2020年8月にはアーティストの米津玄師が、日本人として初めてフォートナイトでのバーチャルイベントを開催したことも話題となりました。
無料のゲームとはとても思えないような細部にまで至る作り込み、そしてさまざまな著名人の影響。
このような背景から、フォートナイトはメタバースに分類されるゲームの代表格となっています。
その②:マインクラフト
マインクラフトは、スウェーデンのゲーム開発会社「Mojang Studios」の社員と、マルクス・ペルソン氏によって開発されたゲームです。
ボクセルアート調のビジュアルが特徴的なゲームで、日本では「マイクラ」の愛称で親しまれています。
マインクラフトも前後左右上下、360度のメタバース空間の中で、自由にものづくりができることが最大の魅力となっています。
また、ものを作ったり建築するだけでなく、冒険要素が含まれた「サバイバルモード」などもあり、ユーザーが飽きない工夫も施されています。
暴力や攻撃といった過激なシーンが存在しないため、小さな子供にも安心してプレイさせられます。
ものづくりに関するゲームであることから、実際に「子どもの想像力と創造力を育てるゲーム」と呼ばれることもあります。
その③:どうぶつの森
どうぶつの森は、日本のゲーム会社「任天堂」が開発した、人気ゲームシリーズのひとつです。
まっさらな無人島に、自分だけの家を作ったり、DIYを楽しむことができます。
また家の模様替えなども自由に行うことができます。
また無人島自体をカスタマイズできたりなど、自由にマイペースに、ゆるくのんびりとゲームを楽しみたい方にオススメです。そのほか季節ごとのイベントが開催されるなど、ユーザーが飽きない工夫もされています。
とくに2020年8月に発売されたシリーズ7作目の「あつまれ どうぶつの森」は、リリース直後から爆発的な売上を記録しました。コロナ禍の影響も相まって暗いニュースが多い中で、かわいい住人のどうぶつたちに癒やされたい人が急増したことも理由なのではないでしょうか。
どうぶつの森シリーズはVRゴーグルなどは必要なく、テレビ画面または専用のゲーム端末で楽しめます。
とはいえ、360度の仮想空間であることからメタバースに分類されます。
メタバース+VRの具体例

続いてメタバース(仮想空間)に、VR(映像を疑似体験できる技術)を加えたゲームを、以下のとおりご紹介します。
- その①:VRChat(ブイアールチャット)
- その②:Decentraland(ディセントラランド)
- その③:Everdome(エバードーム)
その①:VRChat(ブイアールチャット)
VRChatは、アメリカの企業「VRChat Inc」が運営するVRプラットフォームです。
VRChatはSNSの要素を持ち合わせたメタバースとして注目を集めています。
「ワールド」と呼ばれる仮想空間でアバターを通じ、世界中の他のユーザーとの交流や会話を楽しむことができます。
また定期的に開催されるバーチャルイベントも魅力のひとつです。
国内の企業であるサンリオや日産自動車のバーチャルイベントの会場として利用されたことも話題となりました。
VRChatでは遊び方として、以下のいずれかが選べます。
- PCやスマホで楽しめる「デスクトップモード」
- VRゴーグルやコントローラーを用いる「VRモード」
360度のメタバース空間で楽しむゲームではあるものの、PCやスマホで気軽に楽しめます。
ただ、推奨されているのは「VRモード」です。
専用のVRゴーグルやコントローラーを用いることで、以下のようなメリットが得られるからです。
- まるで自分がその場にいるかのような疑似体験ができる
- コントローラーを使えば身振り手振りが直感的に行えるため、ユーザーとの意思疎通がスムーズにできる
その②:Decentraland(ディセントラランド)
Decentraland(ディセントラランド)は、「イーサリアム」という仮想通貨のブロックチェーン技術を利用して開発された、メタバースプラットフォームです。
Decentralandの大きな特徴としては、「DAO(分散型自立組織)」による運営です。
Decentralized Autonomous Organizationの頭文字をとった造語。
特定の運用元が存在しないため、ユーザー各々が直接、ゲームの運営を行う仕組みのこと。
メタバース空間内でのゲームでありつつ、VRを活用して楽しむこともできます。
ゲームの内容としては、メタバース上の土地である「LAND」を購入します。
その「LAND」上に自分だけのコンテンツを構築することができます。
自身のアバターの作成に使われる顔のパーツや服装は、他のゲームとの互換性もあります。
そのため、Decentraland以外のゲームでもアイテムの利用が可能となっています。
とはいえ、土地の購入には仮想通貨(暗号資産)の購入が必要不可欠となります。
より本格的に「メタバースで稼ぐ」ことが目的の方に向いたゲームといえます。
その③:Everdome(エバードーム)
Everdome(エバードーム)は、「メタヒーロー社」と、「WDW(Wolf Digital World)」が共同で運営するプラットフォームです。
メタヒーロー社は、仮想通貨「メタヒーロー(HERO)」を発行する会社です。
WDW(Wolf Digital World)は、3Dプリンター開発を専門領域としている会社です。
ゲームの舞台は「火星」となっており、他のゲームとは一線を画す美しいメタバース空間が最大の魅力です。
ユーザーの中には「仮想空間か現実空間か、見分けがつかなくなる」という声もあります。
以下、公式のYouTube動画となります。
この映像美を見ると、3Dプリンター開発専門の会社、WDW(Wolf Digital World)による技術が最大限に活かされていることがわかります。
従来のプラットフォーム同様、土地の購入やアイテムの売買を行うことも可能です。
こちらのEverdomeもPCやスマホで楽しむことができますが、VRゴーグルやコントローラーなどの専用機器の活用が推奨されています。
近未来的なコンセプトからなる圧倒的な映像美から、今後の拡大がいっそう期待されるプラットフォームです。
メタバースの今後

メタバースは今後も、市場規模の拡大とともに、需要が高まることが見込まれています。
アメリカの通信社Bloombergは2021年10月、以下のように報道しています。
2020年のメタバースの市場規模は約4700億ドル。
Bloomberg
2024年には約7800億ドルまで拡大するものと予想されている。
それだけでなく、近年ではさまざまな大手企業が、続々とメタバース事業に参入しています。
具体的には以下の企業です。
- Meta(旧Facebook)
- Microsoft
- Nike
- NVIDIA
- LINE
- SQUARE ENIX
- SONY
この他にも、名だたる企業がメタバース事業に参入しています。
また、この流れは今後も続くことが見込まれています。
よくある質問
- メタバースがプレイできると、どんなメリットがあるの?
-
大きく以下のようなメリットがあります。
- メタバースのイベント等で、世界中の人と交流できる
- 今後ビジネスシーンでの導入も推進される
- 新たな収入源にもなる可能性がある
メタバースのイベントを通じて、世界中の人と交流できるメリットがあります。
現代ではコロナウイルスの影響で、国がリモートワークを推奨しており、「リモート面談」などの言葉も当たり前になりました。
このような背景から、ビジネスシーンにおけるメタバースの導入もさらに推進していくことが見込まれます。またメタバース上で土地やアイテムの売買を通じ、値上がりに応じて利ざやを得るという働き方に挑戦する方も、徐々に増えています。
- メタバースにかかる予算は?
-
単体で使用するスタンドアローンタイプか、VRゴーグルをPCに接続して使用するタイプかで価格に違いがあります。
スタンドアローンタイプなら5万〜10万ほどです。
PC接続タイプなら、まっさらな状態から始めるとすると、おおよそ10万~20万円ほどです。
以下が内訳です。
- VR対応PC…8~15万円
- VRゴーグル…2~5万円
- コントローラー…5,000~15,000円
ただ上記の器具はピンキリなので、もっと安く済ませることも可能です。
しかし、ストレスなくメタバースを楽しむためには上記が妥当な金額です。また、プレイするゲームによっては仮想通貨の購入が必要になります。
必要な購入金額はゲームによってさまざまです。

まとめ
以上、メタバースとVRの違いを具体例とともに解説しました。
メタバースやVRと聞くと専用のゴーグルやコントローラーが必要なイメージがあり、とっつきづらさを感じます。
しかし、メタバースそのものはPCやスマホのみでも楽しむことができます。
またメタバースに参入する企業も増えており、今後の市場拡大も期待される新しい技術です。
VRやメタバースはまさに今が旬の技術です。
この機会にぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。