NFTは世界中から注目されていますので、NFTアートも目玉が飛び出るぐらいの高額で取引されることが珍しくなくなってきています。
その一方で、時間をかけて作成したNFTアートに高値がつかないばかりか、タダ同然で売られているものが山ほどあります。
NFTアートがいくら人気だからといっても、多くのNFTアートは売れないですし、値もつかないのです。
では一体なぜそうなってしまうのか、詳しく解説します。
NFTアートが売れない理由

NFTアートがブームになっているにもかかわらず、売れないものが大量発生するのはなぜなのか解説します。
・認知度が足りない
・トレンドに乗れていない
・SNSを活用していない
・価格設定が間違っている
・二次流通が期待できない
・成功者の二番煎じで付加価値がない
・作品のコンセプトがない
・投機が多い
・アートバイヤーが少ない
・ターゲット層を決めていない
・従来の芸術を参考にしていない
認知度が足りない
まずは、作者とNFTアートの認知度を上げる必要があります。
そもそも認知度が足りないと、どんな良い作品でも売れることは難しいでしょう。
人の購買行動を示すときに良く用いられるAIDCASの法則でも、まず注意を引いて認知をしてもらわないと始まらないことがわかります。
Attention:注意を引き、認知する
Interest:興味を持つ
Desire:欲しいと思う
Conviction:買った方が良いと確信する
Action:購買する
Satisfaction:満足する
NFTアートの販売導線を作るときにも、AIDCASの法則は有効です。
特に、最後のSatisfactionで顧客を満足させることができれば、リピーターやコレクターになってくれる可能性を高められますよ。
トレンドに乗れていない
NFTアートにも現実のファッションなどと同じくトレンドがあり、トレンドに乗れるかどうかで売れる量が変わってきます。
NFTアートはバイヤーに価値を感じてもらうことで売れるので、トレンドを抑えておくことは必須になります。
逆にトレンドを抑えてしまえば、波に乗ってどんどん人気になり価値も上昇していく可能性もありますよ。
しかし、良質な作品でないとトレンドが終わった時に廃れてしまう可能性があるため、満足のできる作品を作ることが最優先になりますね。
SNSを活用していない
SNSで宣伝活動をしていないことも、NFTアートが売れない原因になりえます。
SNS等で宣伝活動をしていないと、星の数ほどあるNFTアートから自分を選んでもらうことは不可能に近いです。
NFTマーケットのほとんどのシェア率を誇るOpen Seaでは、約200万個以上のコレクション、8000万個以上のNFTが販売されています。
つまり、マーケットプレイス以外での販売導線を作っていくことが必須になってくるということですね。
価格設定が間違っている
「良質な作品で宣伝をしているのに売れない」場合は、価格設定が間違っている可能性があります。
自分の作品の価値は、マーケットを見ながら測っていく必要があります。
もちろん高すぎても売れませんが、安すぎても価値がないと判断されてしまって売れにくくなる可能性も考えられますね。
二次流通が期待できない
二次流通が期待できない場合は、NFTアートの価値が下がってしまう原因になります。
現状多くのNFTコレクターは、NFTアートを転売目的で購入しています。
そのため、作品が良くても価値が高まり二次流通するように働きかけないとアートは売れなくなってしまいます。
また、転売ヤーの人たちに買ってもらうためにも、認知度を高めるSNS活動は必要と言えますね。
成功者の二番煎じで付加価値がない
NFTアートが売れない大きな原因として、成功者の二番煎じになってしまうことが挙げられます。
自分のNFTアートにオリジナルの付加価値がないと、多くあるNFTアートに埋もれてしまいます。
成功者の真似をすべきなのは、NFTアートではなく販売導線の作り方です。
成功したNFTアートの販売導線を分析して取り入れていけば、徐々に売れていく可能性はありますよ。
作品のコンセプトがない
よくありがちな売れない原因として、作品のコンセプトを作れていないことがあります。
ドット絵を上げたりキャラクターの絵を上げたりと統一感がなければ、コレクターになってくれる可能性が低くなってしまいます。
ただ好きな絵をあげていくのではなく、テーマを一つに絞ってひたすらコレクションになるNFTアートを作っていくのが大事です。
将来性をアピールしていない
先の二次流通にも通じますが、将来性をアピールできていないとNFTアートは売れずらくなります。
先ほども言ったように、現在は転売目的の購買が多いため将来的に価値が上がっていくと思ってもらう必要があります。
また、将来性がないと判断されてしまうとファンも離れていってしまうため、活動を続けていくことをアピールするのが大事ですよ。
投機が多い
現在のNFT市場に参加している買い手は、投機目的の人が多く集まっています。
投機筋にも売れるようにするためには、出品するNFTアートの価値を高めなくてはなりません。
また、クリエイターが有名であればあるほど、NFTアートの価値も高まります。
つまり、多くのクリエイターは無名であるにもかかわらず、自分のWebサイトを作って作品をアピールしたり、実績づくりを怠っていたりするともいえます。
クリエイターは自分がアーティストとして成長し、キャリアが長く続き、作品の価値が上がっていく可能性が高いということをアピールする必要があるでしょう。
アートバイヤーが少ない
従来の美術品を高額で取引している多くのアートバイヤーはまだNFTを知らないか、理解できていません。
NFT市場が本当の意味で熱を帯びてくるのは、アートバイヤーがNFTアートの価値を理解し、本気で売買に乗り出したときになるでしょう。
アートバイヤーは一個人の力ではどうしようもないところがありますので、NFTアートを盛り上げる全体の流れのなかで、セミナーやワークショップなどを開くことにより、アートバイヤーにNFTの世界を紹介する機会を設ける必要があります。
ターゲット層を決めていない
どの分野でも同じことがいえますが、幅広いターゲットにアピールしようとして、逆に誰にもささらないという失敗は山ほどあります。
NFTアートの世界も同じく、ターゲット層を特定し、ブランドとマーケティングの対象を絞らないと、売れないNFTアートを量産するだけとなってしまいます。
ターゲット層を絞ると広まらないと思われがちですが、NFTアートを気に入ってくれた人がインターネット、SNSなどで勝手に宣伝して、評判をどんどん広げてくれることでしょう。
従来の芸術を参考にしていない
NFTアートは自由に描ける世界ですが、自分が理解できたとしても、購買層がそれを理解できなければ売れません。
日本で人気の「クリプトニンジャ」のように、従来の芸術をある程度、作品に反映させることにより、購買層に興味を持ってもらいやすい作品となるでしょう。
既存のアート作品や文化的なアイデアを参照することは、購買層とアートとの対話を可能にし、アートの世界に引き込んでくれます。
NFTアートを売るためにやるべきこと

NFTアートが売れないからといって、あきらめる必要はありません。
今、自分が使える武器を用いて、NFTアートを「売れない」から「売れる」作品に変えていきましょう。
・知名度を上げる
・存在感を高める
・コミュニティを作る
・言語の壁を作らない
・トレンドを抑える
・コンセプトを統一する
・特典を付ける
・話題性を提供する
・供給量を絞る
・プレゼント企画を行う
・アイコンに使いやすいようにする
・ロードマップを公開する
知名度を上げる
多くの新人アーティストは知名度がまったくない、もしくはかなり低い位置にいます。
アーティスト自身の知名度が低いと、どんなにすばらしい作品を作ったとしてもスルーされる可能性が高くなります。
できるだけ早く知名度を上げるために、SNSを利用しましょう。
アーティストのSNSでの人気度を購入する目安にしている人は多いため、SNSで頻繁に発信し、フォロワーを多く獲得していれば、自分の作品を見つけて買ってくれる人が増える可能性があります。
作品の裏にあるストーリーを欲している人も多いですが、NFTアートを出品するだけではそのストーリーは伝わりません。
SNSを上手に活用し、ストーリーを伝え、作品の価値をより高めるようにしましょう。
存在感を高める
NFTの世界はSNSなどに支えられている部分が大きいため、アーティストはそこで存在感を示す必要があります。
NFTで最も重要なSNSとされているのが、「Twitter」と「Discord」です。
TwitterとDiscordは他のSNSプラットフォームと違い、潜在的な消費者とアーティストが接触するチャンスを広げてくれます。
作品の製作もありますので、SNSに使える時間にも限りがあるでしょうが、SNSで存在感を高めることが、結果としてNFTアートを売れるものにする近道となることでしょう。
コミュニティを作る
NFTアートをしっかりアピールするために、自分が中心となってコミュニティを作りましょう。
潜在的な消費者と関わると自分の自信も高められますし、コミュニティに参加している人とは良い意味での「共犯関係」を築くことができます。
これからの時代は「だれから買うか」がより重要になります。
正直、NFTアートだけで他の作品と大きな差をつけるのは難しいでしょう。
そのため、潜在的な消費者と普段からつながりを持っておくことにより、「この人から買いたい」を思ってもらいやすくなります。
コミュニティ作りに適しているのが「Discord」です。
コミュニティは必要ですが、Discordに所属するユーザーが何も発信していなければ、コミュニティとしての意味をなしません。
Discordに参加していない人が「活気があって楽しそう」と思ってもらえるよう、コミュニティを盛り上げ続けるようにしましょう。
言語の壁を作らない
NFTアートの購買層は日本国内ではほとんどいないといってもいいぐらい、日本人でNFTを保持している人はごく少数です。
ある調査によると、NFT保有者は1万人余りと、日本の人口からすると0.01%もいません。
NFTアートを売るべき舞台は「世界」です。
世界で主に使われている言語は「英語」ですから、英語でのコミュニケーションをとることも必要となってきます。
普段は基本的にテキストでのやり取りになるでしょうから、「DeepL」などの優れた翻訳機能を使って、海外の購買層とも積極的にコミュニケーションをとりましょう。
日本発のNFTアート「クリプトニンジャ」は、日本国内よりもむしろ、世界で人気が高まっています。
🔥No time to rest for CNP owners🔥#CNP はいつもワクワク
— Ninja DAO | CryptoNinja (@CryptoNinja_NFT) July 17, 2022
burNin’ is going live on 31 July 9am JST🐇
🥷burn your CNP to get the new character, Luna
🥷Max 2,222 CNPs can be burnt
🥷2+ CNP owners are eligible
🥷Priority for 10+ CNP owners pic.twitter.com/v5IZ7PJoJ2
Web3では日本語圏だけで経済は成り立ちません。
英語に抵抗を持つことなく、海外の人とも積極的に接触しましょう。
トレンドを抑える
売れるNFTアートを作っていくには、トレンドを抑える必要があります。
トレンドを抑えれば、波に乗ってNFTアートが認知・購買されていく可能性がありますよ。
現在のトレンドは、ドット絵や可愛らしいキャラクター、SNSのアイコンにしやすいものなどが挙げられます。
トレンドを掴む方法としては、OpenSeaといったマーケットプレイスで取引ボリュームが上位の者を見たり、変化率が高いものを見たりして掴みましょう。
コンセプトを統一する
NFTアートが売れない方法でも紹介しましたが、コンセプトを統一するのは重要になってきます。
コンセプトを統一させることで、コレクターになって作品をリピートしてくれる可能性が高まります。
実際に成功している上位のNFTアートは、全てコンセプトが一緒であることが多いですよ。
しかし、同じような作品ばかりになってしまうと価値がなくなってしまうため、コレクション内でも差別化をしていく必要がありますね。
特典を付ける
NFTアートを売っていく方法として、特典をつけるのは有効です。
特典をつけることで、NFTアートにプラスの付加価値を付けることができるからです。
具体的には、NFTアート保持者に限定のコミュニティに入る権利や限定コンテンツの入手権利を与えるなどがあります。
NFTアートを買ってもらうだけでなく、長く保持してもらう効果も期待できるので、ぜひ特典は活用しましょう。
話題性を提供する
話題性を提供するのも、NFTアートを売っていく有効手段になります。
小学生が作ったNFTアート「ZonbieZoo」を、アーティストのスティーブアオキ氏が約240万円で購入したことは大きな話題になりました。
話題性を提供できるとと、インフルエンサーが反応して買ってくれ、インフルエンサーの知名度も作者の知名度も上がるという関係が築ける可能性がありますよ。
供給量を絞る
供給量を絞るのは、NFTアートの価値を維持していく上で重要になってきます。
初心者の方は、「供給量を増やせば売り上げも伸びるのでは」と考えがちです。
しかし、供給量が多すぎると、コレクションの価値が下がってしまいます。
供給量を制限することで限定感を出し、買いたい人が増えて需要が大きくなることで価値は上がっていきます。
需要と供給のバランスを取ることは、NFTアートの価値を上げていくために必須になってきますよ。
プレゼント企画を行う
プレゼント企画を行うことは、NFTアートを認知してもらう上で有効な手段です。
SNSで拡散してもらうことを条件に、無料でNFTアートをプレゼントするアーティストは増えていますよ。
人間は「無料」という言葉に非常に弱いため、上手くいけば初期露出経路として大きな役割を担う可能性もありますね。
アイコンとして使いやすいようにする
先ほどのトレンドの章でも紹介しましたが、アイコンとして使いやすいアートにすることは重要です。
現在は、TwitterなどのアイコンにNFTアートを用いるトレンドがあります。
アイコンとして使うことを想定して作ることで、トレンドを掴み売れやすくなりますよ。
実際に、CryptoNinjaやCryptoPanksなどをTwitterのアイコンにして、自分をアピールしている人が多く見られます。
ロードマップを公開する
最後にロードマップを公開することも、NFTアートを売っていく上で必要になります。
ロードマップを公開することは、将来性をアピールすることにつながります。
アートを買う側は、この後もずっと続いて将来性があるNFTアートを買いたいと思いますよね。
また、ロードマップを公開ししっかりと順守することで、信頼性の向上にもつながるのでおすすめですよ。
NFTアートの成功事例
先ほどは、NFTアートが売れない理由と売れるためにすべきことをお話ししました。
ここでは、NFTアートを販売していく際に参考にするべき成功事例を3つ紹介しますね。
・Cryoto Ninja Partners
・Azuki
・Zombie Zoo
Cryoto Ninja Partners

Crypto Ninja Partnersは、日本の有名インフルエンサーのイケハヤ氏が共同創設者を務めるNFTコレクションです。
現在総取引ボリュームは2億円を超え、日本だけでなく世界にも進出しています。
Crypto Ninja PartnersはNinjaDAOが運営する「Cryoto Ninja」の次のNFTアートで、1つが安く流通量が多いのが特徴です。
またライセンスフリーであるため、誰でも無料で二次創作ができることも、Crypto Ninja Partnersが人気になった理由と言えます。
Azuki

Azukiは、日本のアニメをインスパイアして作られたNFTコレクションです。
Open Seaでの総取引ボリュームは26万ETHで、約500億円以上を誇っています。
一時期は、NFTアートの中で売り上げ1位を獲得し、現在でもトップの売り上げを維持しています。
Azukiの特徴は、やはり日本のアニメをイメージして作られた高いデザイン性です。
一つ一つのアートが細かく作られているため、1つは持っておきたいと思ってしまうNFTアートになっています。
ZombieZoo

Zombie Zooは、9歳の日本人小学生「Zombie Zoo Keeper」のNFTコレクションです。
母親と共同で夏休みの自由研究にNFTアートを作成して売りに出し、スティーブ青木氏が240万円で購入したことで話題になりました。
そこから「Zombie Zoo」は人気を高め、数千万単位の総取引ボリューム数で活動しています。
そこから小学生の作るアートが一時期流行りましたが、ヒットしたのはごく一部でした。
しかし、話題性を提供することでNFTアートの人気を高めた成功事例だと言えますね。
まとめ
NFTアートはこれから間違いなく急速に広がっていく分野です。
今回紹介した内容を理解することで、「売れない」NFTアーティストを卒業し、「売れる」NFTアーティストに近づくことができます。
もちろん、NFTアート自体のクオリティが高くないと、どんなにがんばっても売れないのは間違いありません。
ぜひ売れるNFTアーティストになれるよう、行動しましょう。
