最近、注目が集まっているワードがあります。
それが「メタバース」です。
メタバースについて、Meta(元Facebook)創設者であるマーク・ザッカーバーグは、2021年10月28日に発表した「Founder’s Letter, 2021」にて、思わず目に留まる発言をしています。
「ホログラムとして瞬時にテレポート」
「通勤せずにオフィスに、友人とのコンサートに、または両親の家の居間に集まれる」
メタバースは、このような未来を実現する可能性を秘めています。
これを見ると、
「なんかすごそう!」
「私もメタバースにいち早く関われないだろうか」
「これで一攫千金、狙ってみたいな!」
という気持ちに駆られる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際にサイトを調べてみると、専門用語がたくさん並んでいて分かりづらかったりするのではないのでしょうか?筆者自身も、2022年6月まで、ほとんどメタバースのことについて知らなかったため、調べていて、とても悩みました。
だからこそ、初心者の方が
- メタバースの全体像はどうなっているのか
- なぜ、メタバースには仮想通貨が必要なのか
- メタバース関連で儲けることができるのか
こういったことを、できるだけ分かりやすく伝えられる記事を作ることを目指しました。
興味を持った方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
メタバース関連に参入するなら、今が絶好のチャンス
まず、メタバースに関連するワードを、ざっくりと表にまとめてみました。
Web3.0 | ブロックチェーン | NFT | DAO | メタバース | 仮想通貨 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ざっくり一言 | 人々に力を取り戻す 信念 | 力を分散 | 限定レアを生み出す | 公正な社会を 目指す集団 | 受け皿としての 第2の地球 | 第2の地球の お金 |
現実世界の例 | 革命運動 | 非中央集権 | 世界に一つだけの 芸術品 | リーダーなき 自治組織 | 生活・労働環境 | 円、ドル等 |
表で目立つワードは「第2の地球(=メタバース)」になります。しかしながら、2022年の段階では、「第2の地球」を作り出すのに必要なインフラが、まだまだ整っていません。現実世界で例えるなら、発展途上国のアフリカ大陸などに対して、先進国たちが投資を行っているイメージです。
そして、このメタバース開発には、皆さんが一度は必ず耳にしたことがある有名企業が数多く参加しています。
- Meta Platforms(元Facebook)
- Microsoft
- Disney
- ソフトバンク
- NIKE
これらはあくまで一例にすぎません。他にも書いたらきりがないほど、多くの有名企業が、メタバース業界に参入しています。
それにも関わらず、まだまだ一般の人には、広く情報が出回っていないのが現状です。だからこそ、今からメタバース業界に参入・投資していく絶好のチャンスといえるでしょう。
次の項目からは、それぞれの用語についての大まかな解説をしていきたいと思います。
Web3.0とは革命である
「Power to the People(人々に力を)」
Web3.0という概念を調べていて、一番印象に残った言葉です。
この言葉が意味しているのは、いわゆるGAFAMと呼ばれる、ネットの大企業たちに対抗しようとする人々の想いです。
解説をする前に、まずは下記の表をご覧ください。
Web1.0 | Web2.0 | Web3.0 | |
---|---|---|---|
閲覧の仕方 | 読み取り専用 | 参加型 ソーシャルウェブ | 分散型で公正な インターネット |
具体例 | Google Yahoo | Facebook YouTube | OpenSea Ethereum THETA |
2022年の段階では、まだ私たちはWeb2.0の世界にいます。Web2.0は私たちに、ネット上で交流する楽しさをもたらしてくれています。
しかし同時に、下記のような問題を抱えることになりました。
- 大企業がデータを独占してしまっている
- 大企業が、クリエイターと企業の利益を搾取している
「大企業がデータを独占してしまっている」のが、どのような弊害をもたらすのでしょうか?
この問題で、1番話題となったのが、「トランプ元大統領のTwitterアカウント凍結」でしょう。
アメリカの元大統領ですら、Twitterの前にはひれ伏すしかなかった。改めて振り返ると、とてもショッキングな出来事だったのではないでしょうか。大企業の采配によって、わたしたちが、いとも簡単にコントロールされてしまうという危険性が、「トランプ元大統領のTwitter凍結」によって示されたのです。
もう一つの問題である、「大企業が、クリエイターと企業の利益を搾取している」という問題について。1番分かりやすい例が、「YouTube」ではないでしょうか。
現在、たくさんのYouTuberが、毎日のように動画を投稿しています。なぜ投稿するのかというと、広告収入を稼ぎたいからです。
しかし、広告収入がそっくりそのまま、YouTuberの手元に届くのかというと、そうではありません。広告収入は、YouTubeの大元である、Googleに利益の一部を搾取されてから、YouTuberの手元に届くのです。
また、企業がYouTubeに広告を依頼するときにも、Googleから手数料を搾取されます。
このように、YouTubeという媒体を通して、Googleが利益をどんどん吸収していく構図になってしまっています。
「大企業たちにデータを独占されている」
「利益を得るには、大企業に搾取されながら頑張るしかない」
GAFAMが牛耳っている世界を、何とか変えることはできないのか。もっと公平な世界があってもよいのではないのか。
このような想いを現実に変えようとする革命運動。それが「Web3.0」になります。
Web3.0が目指す世界は、下記のようなものです。
- 大企業を通さず、クリエイターとユーザーが、直接つながる世界
- データを自分たちで管理していく
- 収益が、そのままクリエイターに還元される
Web3.0の世界を実現させるには、どのような技術が必要なのか。
最初に注目されたのは、ブロックチェーンでした。
力を分散する、ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、GAFAM等が管理している、巨大サーバーを使用することなく、自分たちでデータを保持しようとするシステムのことです。
大まかな特徴としては
- 改ざんが非常に困難
- システムダウンが起きない
- 取引の記録を消すことができない
といったものがあげられます。
ブロックチェーンの技術を使えば、たとえ巨大企業であったとしても、データを完全に独占することは不可能となります。まさに、非中央政権の実現を可能にする技術といっても良いでしょう。
ただ、ブロックチェーンは、データを自分たちで管理することを可能にする技術でしかありません。「大企業に頼らない利益を作るには?」という問いに対しては、明確な答えを示せていませんでした。
ところが昨今、このブロックチェーンの技術が更に発展。「大企業に頼らない利益づくり」を実現するための技術が生み出されました。それが、NFTなのです。
世界に1つだけのNFT
NFTとは、「Non-Fungible-Token」の略であり、日本語にすると、「非代替性トークン」となります。
NFTが行えることは、「ブロックチェーン技術により、唯一性の証明がされたデジタルコンテンツの提供」です。
…つまり、どういうこと?
という声が聞こえてきそうなので、有名ゲームである、「マインクラフト」を例にあげて説明します。
「マインクラフト」内では、自由に家を作ることが出来ます。凄腕の人でしたら、まるで豪邸のような建物を作ることも可能です。
しかし、従来のネット環境ですと、時間をかけて作った豪邸にさえ価値はつきません。なぜなら、コピーすることが容易だからです。少しの操作で、誰でも簡単にコピーして豪邸に住むことが出来てしまう。これでは、豪邸を作ったクリエイターは、ほとんど報われないと言っても過言ではありません。
この現状を変えてくれるのが、NFTです。
NFTを使って豪邸を作った場合、まずコピーすることはほぼ不可能になります。言うならば、供給量が制限されるということです。
ここで、現実世界の話をします。江戸時代等の名匠によって作られた茶碗に、なぜ目を疑うような価格がつくのでしょうか。
もちろん、見た目の美しさというのもあるでしょうが、他にも理由があります。それは、世界にたった1個しか存在しないから、でしょう。
NFTとは、世界にたった1個しか存在しない豪邸を、ネット上に生み出すことを可能にする技術、なのです。これが意味していることは何かというと、クリエイターが時間をかけて作った豪邸が、ネット上で、高額で取引することが可能になった、ということです。
世界にたった1個しか存在しない豪邸となれば、それを欲しがる人は当然出てきます。
「ネットの世界で大富豪のようにふるまってみたい」
「仮想空間内で毎日贅沢なひと時を過ごしてみたい」
今までは容易にコピーが出来ましたが、NFTはそれを許しません。だからこそ、多くの人が高額なお金を出してでも欲しがる。結果として、クリエイターが報われる、という仕組みが出来上がり始めているのです。
すでにNFTを使用して、実際に収益化に成功している事例もあります。例えば、NIKEがネット上で、アバター用の靴を、NFTを使って限定販売させて、収益化に成功しています。
NFTは少しずつ、私たちの世界に広まってきているのです。
次世代型組織 DAO
ブロックチェーンから発展して、新たに生まれた組織形態も出てきています。それが、DAOです。DAOとは、「Decentralized Autonomous Organization」の略であり、日本語では「自律分散型組織」と訳します。
DAOは、
- 共通のビジョン
- 共通のコミュニティ
- 独自トークン
が最小構成となっていると言われています。ざっくりいうと、「似通った意見を持った人たち同士で、協力しながら利益をあげようとするチーム」といった感じでしょうか。
このDAOが、昨今注目を集めています。なぜかというと、従来のコミュニティとは違った、インセンティブ革命が起こっているからです。
YouTuberを例にして説明します。有名なYouTuberの中では最近、登録者数1,000万人を超える人も出てきました。1,000万人という偉業を達成するには、YouTuber1人だけの力だけでは絶対に成しえなかったはずです。そこには、少なからず、Youtuberを熱心に応援する人もいたことでしょう。
しかし、応援している人に対して「応援を通して、何か利益を得ましたか?」と尋ねると、おそらくほとんどの人が、「No!」と回答するはずです。なぜなら、動画の視聴によって得られる広告収入は、YouTuberとそれを近くでサポートしている人にしか行き渡らないからです。
Web3.0は、一部の人にしか利益が行き渡らない現状に「No!」を突き付けました。
Web3.0が目指す世界は、公正な社会です。それは利益についても同様です。
DAOは、応援する人々全員にも、貢献度に応じて、利益が行き渡ることを可能にした組織形態なのです。YouTuberの例でいうのでしたら、YouTuberとサポートする人だけでなく、1,000万人の応援者にも、利益が行き渡ることを可能にするのです。
「そんなバカな!?」と思うかもしれません。しかし、応援者にも利益が行き渡るシステムは、すでに数年前から作られていました。具体例でいうのでしたら、仮想通貨としても有名なイーサリアムでしょうか。
イーサリアムとは、2013年に当時19歳だったヴィタリックが「色んな目的を達成するための、ブロックチェーンのプラットフォームを作り出す」というビジョンに共感した人たちが集まって作られた集団です。
最初は6人で始まりましたが、だんだんと人数が増えていき、現在では1億8千万を超える人たちがDAOメンバーとして加入しています。
その過程で、仮想通貨としてのイーサリアムの価格も上昇。関わったメンバー全員が報われることとなりました。
ちなみにですが、創業者であるヴィタリックは、全体のうちのわずか0.3%しかイーサリアムを保有していません。利益が一人に集中することなく、公正に行き渡っているのが分かるかと思います。
このような公正な利益分配は、Web3.0が目指すビジョンと大きくつながっているのです。
さて、今まで紹介した
- ブロックチェーン
- NFT
- DAO
といった技術・組織が現在進行形で発展していく中で、別の分野でも目覚ましい技術発展が起こっています。それが、メタバース、なのです。
受け皿としての第2の地球、メタバース
メタバースとは、「Meta(超)」と「Universe(宇宙)」を合わせた造語です。メタバースの定義については、人によって見解が分かれているのが実情なのですが、ここでは「VR、AR、XR、ミラーワールドなど、様々な仮想空間技術をリブランディングしたもの」として扱います。
メタバース自体には、特に思想的なものはありません。あくまで、メタバース=現実世界とは違う体験ができる仮想空間、でしかありません。例えば、おじさんがメタバース空間内で美少女として振る舞ったり、イケメンキャラになって、華麗な必殺技を決めたりすることが出来る疑似空間、という感じでしょうか。
ではなぜ、今まで話した技術と、メタバースの話が繋がってくるのでしょうか。これは、あくまで筆者の個人的見解ではありますが、メタバースはたまたま、Web3.0の受け皿として選ばれたのではないかと考えています。
つまり、昨今語られているメタバースの本質には、メタバース自体にはないのです。大事なのはあくまで
公正な社会を実現しようとするWeb3.0の思想であり
非中央政権を実現するブロックチェーンであり
「世界で一つだけ」を提供できるNFTであり
公正な利益分配を行えるDAOである
というのが、筆者の個人的見解です。
しかし、メタバースは
- 自分を別のキャラクターに変える
- 一瞬で別の場所に行ける
- 自分だけの世界を作れる
といった魅力的な特徴を備えています。この仮想空間内で
- 誰にも自分のデータを阻害されず
- 自分の作ったモノが公正な価格で取引され
- 気に入った人と一緒に、働いたり生活したりして、世界を盛り上げていく
という世界が実現できると考えたら、ワクワクしてきませんか?
メタバースは、Web3.0の受け皿として受け入れられ、色んな人に明るい未来を提示している。だからこそ、メタバース全体が盛り上がっているのではないのでしょうか。
なぜメタバースでは、仮想通貨で取引されているのか?
さて、話もいよいよ大詰めとなりました。なぜ、メタバース空間内では仮想通貨が使われるのか、という点について説明します。
これは、DAOで話したことにもつながるのですが、応援者全員に利益を行き渡らせるためには、日本円やドルでは役割を果たせないからです。
日本円を例にして説明します。太平洋戦争敗北後の日本円は1ドル=360円でした。これは、敗戦直後ということもあり、日本全体が衰退していたため、1ドルを購入するのに360円も支払わないといけなかったということです。しかし、その後の目覚ましい経済成長等により、現在は1ドル=120円代にまで価値が上がりました。
ここから、日本全体が経済的に盛り上がる→日本円の価値が上昇する、という図式が見えてくるかと思います。つまり、日本のコミュニティに所属している人は、みんな報われて、家電製品などをたくさん買えるようになった、ということです。
コミュニティが盛り上がる→コミュニティの通貨の価値が上がる→コミュニティの参加者全員が幸せになる
この図式は、メタバース内でも、そのまま当てはめることが可能です。メタバース内では色んなDAOが利益を得ようとするために、独自の仮想通貨を発行しています。これは、DAOの参加者全員が報われるようにするためには、独自の仮想通貨の発行が一番都合の良いやり方だったからなのです。
もちろん、「メタバース内の取引を容易にするため」という理由もあります。しかし、それはあくまで二次的な理由であり、Web3.0全体の視点から考えると、「コミュニティの参加者全員が報われるようにするため」と考えるほうが適切であると筆者は考えます。
この結論から、さらに次の結論が導けます。それは
特定のDAOを応援したいなら、そのDAO独自の仮想通貨を購入すればよい
ということです。
昨今、仮想通貨への投資が流行っていますが、これは「このDAOを応援してみたいな」と考えながら投資している、と捉えることもできます。
現実世界で言うなら、応援したい株式会社に投資を行っているイメージです。
もし、応援したDAOが盛り上がってくれたなら、独自の仮想通貨も価値が上昇し、持っている人全員が報われることになります。まさに、イーサリアムの参加者全員が報われたのと同じように。
仮想通貨への投資が盛り上がりを見せているのは、「応援したいDAOに投資をしていく」という考えが少なからず含まれているはずなのです。
まとめ
仮想通貨を購入することで、メタバース内の特定のDAOに投資をしていくというのは、有意義な考えだなと思います。
興味を持った方は、これからの明るい未来を作ってくれそうなDAOのトークンを購入してみてはいかがでしょうか?